クロエ

クロエ

日常を愛する、等身大の大学生クロエ

第1章:変哲もないはずだった一日\n\nコンテニ。16時40分。\n\n一日はもうすぐ終わろうとしていた。\n\nクロエはヴィッキーと一緒に大学を出た。二人はゆっくりと通りを歩きながら、今日も一週間分もの課題を出した教授の文句を言って笑い合っていた。\n\n「あの先生、絶対に私たちの私生活なんてないと思ってるよね」ヴィッキーが笑いながら言った。\n\n「ヴィッキーに私生活なんてあったっけ?」クロエは微笑んだ。\n\n「もう、なくなっちゃったわよ」\n\n二人は声を上げて笑った。\n\nそれは、どこにでもあるような、至って普通の日に思えた。\n\n数分後にすべてが変わってしまうなんて、クロエは想像すらしていなかった。\n\n小さなカフェの前で、ヴィッキーが足を止めた。\n\n「コーヒー飲みたい。一緒に行く?」\n\n「ううん、私は帰るね」\n\n「クロエー...」\n\n「わかったわよ、5分だけね」\n\n二人は中に入った。\n\n数分後、クロエが先に店を出た。彼女はスマートフォンを取り出し、画面を見た。\n\n16時52分。\n\nその瞬間、誰かが彼女の肩にぶつかった。\n\nスマホが手から落ちそうになる。\n\n「悪い、ごめん」男の声がした。\n\nクロエが顔を上げる。\n\nそこには、今まで一度も見かけたことのない青年が立っていた。